2006年2月28日 衆議院予算委員会第三分科会


先般、長浜市で発生した、幼稚園児の殺害事件を例にとって最近の治安の悪化について、杉浦法務大臣に国としての対策を質しました。

「安全で安心できる社会環境」が一日も早く復活すること願っています。

さらに、犯罪の多発によって不足している、刑務官、保護観察官の増員計画、違法捜査等による人権問題も取り上げて法務大臣・法務省局長の考えを質問しました。

○茂木敏充主査 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤井勇治君。

藤井分科員 自民党の藤井勇治と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず最初に、我が国の治安は、ここ十数年ほど前まで世界一安全な国と言われてきました。ところが、国内では犯罪の低年齢化が進み、また家族間の事件も増加しています。先般、私の地元であります滋賀県長浜市で幼稚園児二人が同級生の母親に殺害されるという大変痛ましい事件も起きました。さらに、全国各地で外国人による凶悪な犯罪も多発し、出入国手続の問題も指摘されています。

 こうした治安の悪化について、大臣はどのようなお考えをお持ちでしょうか。以前のような安全で安心できる社会環境を取り戻すために具体的な方策をお持ちなのか、大臣の所見をぜひお聞かせをお願いいたします。


○杉浦国務大臣 先生の御地元で園児二人が殺害されるというまことに痛ましい事件が起こったわけであります。被害に遭われた家族の方々には何と申し上げていいか、言葉もないことでございます。

 先生御指摘のように、日本の治安は、かつては世界一安心、安全な国だという評価があったわけです、そんなに遠い過去ではございませんが。それがこのところ悪化いたしておりまして、私は、危険水域にある、この二年ぐらい犯罪件数は下がり、検挙率は上がっておりますけれども、しかし、御指摘のような凶悪事件は後を絶っておりませんで、まだまだ危険水域を脱していない、赤信号が点滅していると言ってよろしい状況だと思います。

 国民の皆さんの体に感じる治安というものは、むしろ悪化していると言ってもよろしいんじゃないかと思います。各種世論調査を見ましても、治安を何とかしてほしい、犯罪を少なくしてほしい、安心して生活できるようにしてほしいという国民の要望は景気とともに断然高いという状態が続いておることは御案内のとおりでございます。

 政府としてもさまざまやっております。法務大臣就任に際して、小泉総理からは、世界一安全、安心な国、安全神話を取り戻してほしいという強い指示があったところでございまして、その総理の御指示もございまして、ことしの法務省の年頭の幹部職員に対する訓示でも、また、ついこの間やりました全国検察官会同におきましても、ことしをともかく治安回復元年にしよう、治安が悪くなったについては要因がたくさんございますから、一筋縄にはいきませんが、法務省職員五万一千人、力を合わせて、後々、治安回復した暁において、ことしが治安回復元年だったと言われるような年にしようという訓示をいたしたところでございます。

 政府としての方策といたしましては、平成十五年、一昨々年になりますが、十二月、犯罪対策閣僚会議におきまして、犯罪に強い社会の実現のための行動計画が策定されておりまして、法務省としても総合的な犯罪対策に取り組んでいるところでございます。

 少し具体的なことを申し上げた方がよろしいですね。

 私ども法務省としても、安心、安全な社会の再生というのは法務省に課せられた最重要課題と受けとめておりまして、先ほど申しました国民の治安回復の要請に確実にこたえていくために、検察、矯正保護、入管、公安調査庁といった治安を支える各組織職員の充実強化を図り、心を一つにして頑張っていこうと考えております。

 現在、刑務所では、矯正の方ですが、過剰収容が深刻な問題となっております。PFI手法の活用も含めまして、刑務所の増設、収容、処遇能力の強化を図っておりますほか、再犯防止に向けて処遇プログラムの充実等に努めているところでございます。私を長といたしまして過剰収容対策のプロジェクトチームを立ち上げまして、これら各般の諸問題について省内で精力的に検討をしておるところでございます。

 先ごろ保護観察中の者の再犯が相次いだことが社会問題になったことは御案内のとおりですが、更生保護制度全般について検討するために、更生保護のあり方を考える有識者会議を立ち上げて検討いただいております。この会議における議論を踏まえながら、更生保護制度をより実効性の高いものにしてまいりたいと考えております。

 外国人犯罪の温床となっていると指摘されている不法滞在者、外国人の問題につきましては、先ほどの計画で、五年内に半減という目標を決めておるところでございまして、そのために、入国審査及び在留資格審査の厳格化、不法滞在者の摘発強化と退去強制の効率化、かなり成功してきておりますが、それらの方策を講じてまいりたいと考えております。

 加えまして、組織犯罪、ハイテク犯罪等、治安を脅かす犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行うとともに、組織的犯罪処罰法等、これらの犯罪に効果的に対処するための各種の法律を積極的に活用していく必要があると考えております。

 これら諸施策につきまして、関係機関と連携しつつ総合的に取り組むことによりまして、安全で安心して暮らせる社会の実現のために最大限の努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。

○茂木主査 質疑者の方も質問をたくさん用意していると思いますので、答弁の方もできる限り簡潔にお願いいたします。

 藤井君。

○藤井分科員 どうもありがとうございました。治安回復に向けて、政府も全力を挙げていただきますようにお願いいたします。

 もう一点、ちょっと大臣にお伺いいたします。

 去る二月二日でございますが、大変長年にわたり激しい議論が交わされてきました代用監獄制度について、未決拘禁者の処遇に関する有識者会議は、このような提言を出されております。

 今回の法整備に当たってはという限定をつけておられますが、代用監獄の存続を認めた上で、未決勾留者の処遇改善策を考えるべきであると結論をつけています。代用監獄制度は、自白強要などの違法捜査が行われやすく、冤罪の温床にもなるとも批判が出ておりました。人権問題としても取り上げられてまいりました。このたびの有識者会議の提言について、現在の大臣の思いやお考えをぜひお聞かせください。


○杉浦国務大臣 先生御指摘の代用監獄の問題を含む未決拘禁者に対する問題は、昨年の監獄法改正で積み残しになった部分でございます。

 非常に長い歴史がございまして、私がまだ政治の道に入る前から、もう二十年以上前から問題になっていることでありますが、ようやく、法曹三者を含めました有識者会議で御議論いただいて結論を得たということでございますので、その結論を踏まえまして、今国会で未決についての監獄法改正を御提案して、御審議いただき決しようと思っております。

 内容は、先生おっしゃったとおり、いわゆる代用監獄についてはこれを存続させることを前提といたしております。と同時に、その改善をも図るための措置を講じようとしておるものでございます。

 現在提出準備を進めております法案では、未決拘禁者等の人権を尊重しながら適切な処遇を行うために、その権利義務の範囲を明らかにするほか、代用監獄の制度に関しまして、留置施設視察委員会を設けることなどを予定しております。

○藤井分科員 ありがとうございました。

 先ほどの治安回復と人権の擁護は、どちらも重要な課題であると思います。一方、二十一世紀は環境と人権の世紀とも言われます。どうぞ、杉浦大臣のリーダーシップのもとで司法改革を進め、治安の回復、人権をより尊重した捜査が今後行われるよう強く望みたいと思います。

 次に、私は、先般、名古屋、旭川、網走などの刑務所を見学する機会がございました。非常に建物は立派になりましたし、外観からは近代的な印象を受ける施設もございました。しかし、そこで働く刑務官ら職員の皆さんの仕事は、大変、想像以上なものだと痛感をいたしました。過剰収容状態の中での被収容者の人権問題、また保護観察官の人員不足など課題は多いとお聞きしました。

 今国会で法務省、警察庁から関連法案も提出されるようでございますが、きょうは、刑事施設、刑務官、保護観察官の現状について質問をさせていただきます。

 まず、一つは、刑事施設と刑務官の数についてでございます。

 刑務所、拘置所及び警察の留置場の被収容者、受刑者、被告人、被疑者の数が近年大幅に増加しているにもかかわらず、収容定員が追いつかず、被収容者の過剰収容状態が続いているとお聞きいたしております。そのため、施設内における生活環境が大変悪化し、単独室に複数の者を収容させたり、雑居房に定数を超えて収容しているのが実態とお聞きいたしました。

 さらに、警察留置場に収容されている未決拘禁者の数も大幅に増加して、被勾留者の九八%の被疑者が留置され、捜査が終了し起訴された被告人の多くは留置場に収容されているというお話も伺いました。

 これらの者の収容施設は本来拘置所であるはずでございますが、収容力がないために、勾留されている被疑者、被告人を収容できないという状況が続いておるわけであります。

 また、拘置所でも、刑事裁判で刑が確定した者は刑務所に収容されるべきなのに、受け入れる刑務所が確保できずに、拘置所に滞留している状態がある。

 これら刑事施設の現状と対策について、何点か質問をさせていただきます。

 一点目は、拘置所及び刑務所における過剰収容により、今どのような問題が発生しているのか、お聞かせ願いたい。

 また、二番目に、過剰収容問題を解決するための具体的な方策をお聞かせいただきたい。拘置所及び刑務所の数を増設する計画なんかはあるんでしょうか。また、被勾留者を減少させるための具体的な方法を何か考えておられるのか。受刑者の収容数を減らすための方策はあるんでしょうか。

 とりあえず、以上についての御答弁をお願いいたします。


○小貫政府参考人 まず、過剰収容の状況でございますが、平成十年以降の刑務所等の収容人員、これは急激に増加しております。特に、受刑者等の既決被収容者にありましては、平成十七年末現在、約六万八千三百人という数字を数えておりまして、収容率にいたしますと一一六%という状況でございまして、その収容状況は極めて厳しい状況にございます。

 これは、物的施設ばかりではなくて、人員面でも多くの不足を抱えているところでございまして、これがゆえに現在刑務所等ではどういうことが起こっているかと申し上げますと、委員も御指摘のとおり、受刑者の居住環境が非常に悪い、こういうことから、緊張感あるいは圧迫感からくるストレスが高じまして、受刑者間のトラブルや職員に対する暴行傷害事案が多発しております。

 昨年一年間で職員等に対する暴行傷害事案は一千件をついに超えました。さらには、刑務所の役割としては改善更生と社会復帰ということが重要な責務であるわけですけれども、そういった実情にあるために、個々の受刑者の特性に見合った処遇というのがなかなかできがたい状況にございます。

 そういうことで、この過剰収容対策でいろいろお骨折りをいただきまして、施設の充実、拡充、さらには人的体制の整備というのを行ってまいりました。

 その一端だけ申し上げますと、ここ平成十三年以降、十七年当初予算までの既存の刑務所の増設あるいは新設、まだ新設はできていないものもございますけれども、約二万人分の収容能力の拡大に努めてまいりました。ただ、現状では、これでも足りないという状況でございまして、十八年度予算でさらなる増加をお願いしている、こういうことでございます。

 一方、職員の定数の関係でございますが、平成十三年度末には刑務所等の行刑施設で働く職員数の定員が一万七千十一人でございました。これがその後、いろいろ御理解をいただきまして、純増を重ねてまいりまして、平成十七年度は一万七千六百四十五人という数字に達しておりまして、約六百三十四人の増ということでございます。

 しかしながら、実態を見ますと、職員一人当たりの負担数、被収容者の割合はさらに増加している、こういうことでございまして、十七年末現在の一人当たりの収容者の数は四・五人でございます。これは、アメリカ、イギリス等、他の諸国と比べましても非常に高い数字でございます。ちなみに、アメリカにおいては三・〇、イギリスにおいては一・六という数字が報告されているところでございます。

 今後は、こういった物的施設及び人的な体制の整備に、さらに収容動向を見つつ努力してまいりたい、このように考えている次第でございます。

 以上でございます。

○藤井分科員 ありがとうございました。あらゆる方策を講じて、過剰収容問題に対応していく必要があると思います。

 次に、刑務官の職員の職務についてお尋ねをしたいと思います。

 被収容者の増加に対応した刑務官などは、職員数も不足し、有給休暇の取得率は国家公務員の中でも最低の水準である、年間三・九日と聞いておりますが、残業がふえてもこれに見合う手当がつかない。こういう状態が続きますと、刑務官らの待遇は悪化し、職場環境も悪くなれば、今後、情熱を持った誠実な刑務官らを採用するに悪影響を及ぼすのではないでしょうか。

 我が国の治安を安定させるためにも、被疑者、被告人、受刑者に対し、その地位に応じた適正な処遇をすることが重要であると思います。未決拘禁者に対する適正な刑事手続の保障、受刑者の矯正と社会復帰及び再犯防止のための適正な方策をとることは急務と考えられます。

 このような認識のもとで、次の何点かについてお尋ねをさせていただきます。

 刑務官ら職員の増員の必要性と増員計画をどうお持ちでございますか。刑務官も、政府の方針である公務員の五%削減の対象になっているんでしょうか。また、刑務官ら職員の有給休暇の取得状況、そして残業勤務の実態と残業代の支払い状況はどうなっていましょうか。また、これは一つ提案なんですが、警察官はOBを採用して交番などに配置しているという合理的な方法をとっておられますが、刑務官不足で、刑務官OBの採用なんかをして対応するという考えはいかがなものでしょうか。

 以上、三点について御答弁をお願いいたします。


○小貫政府参考人 刑務官の勤務条件が非常に厳しい状況にあるということは、委員御指摘のとおりでございます。忙しい施設においては年休消化が〇・九日というところも伺っているところでございまして、幹部の私としては、大変心苦しい仕事をお願いしているという状況にございます。

 先ほどの残業手当、ちょっと確認してまいりませんでしたので、その点はまた別途報告させていただきますが、週休の点から申し上げますと、四週八休というのが通常の公務員の勤務形態でございますけれども、四週七休とかそういう状況で、この四週八休を実施できていない庁が七十四庁の刑務所のうち六十五庁に上っております。

 さらには、OBの過去に培ってきた能力の、スキルの活用ということでございますが、数字はちょっと手元に持ち合わせておりませんけれども、一部OBの方に嘱託でお願いしているところもございます。一方で、若い刑務官になられる方、非常に厳しい勤務条件ではあるけれども、現在では希望者が今でもいてくれるというありがたい状況にございまして、今後は、OBの力と若い力、これのバランスをとりながら考えていくべきかな、こんなふうに思っている次第でございます。

 以上です。

○藤井分科員 ありがとうございました。

 刑務官が厳しい現場の一線で活動をいたしておりますので、それらの処遇についてもよろしくお願いをしておきたいと思います。

 次に、更生保護について質問をさせていただきます。

 昨年、保護観察中の重大再犯事件が何件か発生したことを機会に、更生保護のあり方を考える有識者会議が法務省に設置されました。更生保護制度については、戦後六十年間手をつけられなかったものであり、抜本的な見直しが来ている時期だと思われます。

 更生保護は、成人に関して言えば、刑務所を仮出所した者に対する保護観察と、保護観察つき執行猶予の言い渡しを受けた者に対する保護観察や、更生保護施設における出所者に対する援助等であるわけであります。

 更生保護は、犯罪者に対して行うものであり、犯罪者の更生を目的としております。犯罪者が更生できれば、世の中から再犯が減ることになります。すなわち、犯罪被害の発生が減少します。

 例えば、一人の性犯罪者を更生させることができれば、同一人による何件かの性犯罪事件の発生が防止できるということになります。犯罪者が更生できて犯罪が減れば、裁判コストや刑務所のコストも減り、先ほど申し上げた過剰収容問題も改善できるということになります。

 犯罪が起きてから犯罪者の処罰や被害者救済のためのコストをかけるよりも、犯罪を防止するためのコストをかける方が、国家経済的にも安上がりで、国民の全体の利益にもなるのではなかろうかと思います。

 以上のような見地から考えれば、更生保護を充実させて、犯罪者を一人でも多く更生させることが、国家国民の見地からいっても非常に重要なことだと言えると思います。

 以上のような観点から、次の質問をさせていただきます。

 現在の保護観察制度の問題点はどのようなものがあるのでしょうか、教えていただきます。

 また二番目に、保護観察官について、現場で保護観察に当たっている保護観察官は六百三十人と聞いております。それに対して、保護観察の対象者は六万人いる。およそ一人当たり百人の対象者を持っているということで理解してよろしいでしょうか。

 次に、もしこの数字が正しいということであれば、一人で百人を担当するということは余りにも負担が多過ぎないでしょうか。保護司の方は五万人とのことですが、この連携はどのような仕組みになっているんでしょうか。

 次に、現在国家公務員の五%以上の純減が叫ばれていますが、法務大臣が例外として増員を要望しておられる刑務官のような矯正職員だけでなく、保護観察官の抜本的増員が必要ではないでしょうか。それにより、効果的な保護観察を実施することができますし、再犯が減少して国民の利益になるのではないかと思います。

 保護観察官は、現在は一般の公務員の中から登用していると聞いていますが、家庭裁判所の調査官や刑務官のように、独自の採用試験とした方が、更生保護に関心のある適格者が集まり、更生保護を充実するためにいいのではないでしょうか。

 以上の四点について、御答弁をお願いいたします。


○茂木主査 時間が迫っておりますので、簡潔にお願いします。

○麻生政府参考人 はい。

 保護観察制度につきましては、社会情勢等の変化に十分対応できていないことから、保護観察対象者の改善更生を図ることが困難になってきている部分もあると承知いたしております。そのため、再犯防止が十分に機能していないのではないか、こういう御指摘もいただいているところでございます。

 それから、先生御指摘の約六百三十名の保護観察官が一人当たり百件程度担当しているということは、この数字は間違いございません。

 そこで、御指摘のとおり、全国に約四万九千名の保護司さんが現在いらっしゃいます。その保護司さんと保護観察官が協働体制で保護観察を実施しているというのが我が国の特徴でございます。

 保護司さんは地域の実情にも詳しく、その豊かな人生経験を持って保護観察対象者の日常の相談に応じてきめ細かく指導助言をいただいております。保護観察官の員数には限りがございますので、保護司さんの日常的な御協力を得まして保護観察を実施し、対象となる者一人一人の改善更生を図ってまいりたいと考えております。

 それから、平成十八年度の予算案につきましては、治安回復を図るためには、保護観察中の者による再犯防止対策を緊急に進める必要があることから、四十五人の保護観察官の増員を計上させていただいているところでございます。

 簡素で効率的な政府の実現が求められておりますので、更生保護官署におきましてもできる限りの業務の効率化を図っているところでございますけれども、保護観察の充実強化は我が国の安全、安心な社会の実現に必要不可欠なものでございますので、今後とも人的体制の充実強化に努めてまいりたいと考えております。

○藤井分科員 ありがとうございます。

 それでは、最後に保護観察についてお聞きします。

 保護観察の期間についてですが、仮釈放は、刑務所等の施設からいきなり社会に戻すのではなくて、満期前に釈放し、満期に至るまでの間、社会内にあって適切な保護観察を受けることによって、更生させ、ひとり立ちできるようにするための制度と理解していますが、その仮釈放者の平均保護観察期間はどのくらいでしょうか。

 私は半年前後と聞いておりますが、これでは十分ではなく、十分な更生保護が実施できるのでしょうか。保護観察期間をもう少し長くするために、軽い事件の受刑者はもとよりのこと、仮釈放に適した受刑者については早期に仮釈放してはどうでしょうか。その方が充実した更生保護を実施でき、犯罪者の更生を図ることができ、犯罪も減るのではないでしょうか。より早期に仮釈放すれば、刑務所人口も減って過剰収容問題も解決できるのではないでしょうか。

 もう一点、保護観察の内容について、現在の保護観察の内容はどうなっているでしょうか。保護観察を充実させ、犯罪者を更生させて再犯を減らすためには、保護観察の内容をどのようにしたらいいのでしょうか。また、性犯罪対策や薬物離脱のプログラムを設けて、そのような犯罪を行った保護対象者に受講義務を負わせるようなことを考えてはいかがでしょうか。

 以上、締めくくりの質問とさせていただきますが、御答弁をお願いいたします。


○茂木主査 時間が終わっておりますので、極めて簡潔にお願いします。

○麻生政府参考人 はい。

 仮出獄の平均期間は五カ月余りでございますけれども、対象者の特性に応じた適切な仮釈放を認めてまいりたい、今後、そのようにいたしたいと思っております。

 それから、対象者に対します処遇でございますけれども、これは矯正局と共同で性犯罪者に対しますプログラムを開発いたしておりますので、今後ともそのようなプログラムを開発して適切な処遇を行ってまいりたいと考えております。

○藤井分科員 ありがとうございました。

○茂木主査 これにて藤井勇治君の質疑は終了いたしました。

【2006年2月28日の衆議院会議録より】

 

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