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 就任から5年、小泉純一郎首相は「改革なくして成長なし」と言う方針を掲げ、改革に取り組んできた。 高い支持率を維持する一方、「勝ち組」「負け組」の言葉に象徴される格差社会をつくったとの批判にさらされている。小泉改革と格差問題をどうとらえるか。格差の解消にどう取り組むかが問われている。

【格差問題】

努力報われる社会を

藤井 勇治氏

自民党衆議院議員(比例近畿)

 いま指摘されている格差については与野党問わず、考え方やとらえ方にばらつきがあり、一概に格差が拡大したとは言えない。

 経済学者の中には「(格差の)言葉の定義も測り方も不明確」と指摘し、格差イメージが先行する状況に警告を発している人がいる。「構造改革によって格差が拡大したという議論は間違い」という学者もいる。「格差拡大」との指摘には、さまざまな政治的思惑がからんでいる。

 小泉首相が言うように、たとえ負け組となっても再度挑戦して勝ち組になれる社会をつくるべきだ。機会平等、公平な社会の仕組みを整え、創意工夫、努力が報われるようにしたい。

 所得、雇用面の格差が指摘されているが、各種統計の数字を正確にみて、必要な施策を講じるべきだ。雇用についていえば、情勢は改善し、正社員の就職件数は伸びている。景気の回復が背景にあるが、それは構造改革、規制緩和の成果であり、個人、企業の創意工夫、努力が報われた結果であると考えている。

 地域間や企業間の格差も指摘されているが、これは小泉改革以前から存在していた。経済指標をみれば、近畿地方でも府県間で、滋賀県内でも地域間で格差がある。実績を注視し持続可能な、きめ細かい対策をとるべきだ。