国会報告

 

2006年11月 7日 衆議院経済産業委員会にて参考人意見陳述の質疑

           質疑の様子はこちらからご覧下さい→




私は、今日の衆議院経済産業委員会で自民党を代表して参考人の意見陳述の質疑にたちました。例のパロマ工業の瞬間湯沸かし器による二酸化炭素中毒事故により21人の死者が出た件でパロマ工業副社長、家電製品協会専務理事、消費生活アドバイザー・コンサル協会副会長の三人です。痛ましい事故死者を二度と出さない為に真剣な討論をし法改正を実施します!

2006年11月 7日 衆議院議員

 


 

 

○上田委員長 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤井勇治君。

藤井委員 おはようございます。私は自由民主党の藤井勇治でございます。

 三人の参考人の方は、お忙しい中御出席をいただきまして、本当にありがとうございました。今意見を陳述されました中で、何点か質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず最初に、川瀬パロマ工業副社長にお願いをいたします。

 パロマさんは、一万人を超える社員を擁する会社でございまして、きょうは文字どおり代表取締役社長様にお目にかかりたかったのでありますが、まことに残念でございました。どうぞ川瀬さん、よろしくお願いいたします。

 パロマ工業の瞬間湯沸かし器による事故で、これまでに二十八件、二十一名の方が亡くなられた。私はまことに痛ましい事故だと思います、大変痛ましい事故だと思います。この質問に先立ちまして、私はパロマさんのホームページを見させていただきました。わずか一行でありますが、まことに申しわけないという趣旨のものが書いてありました。貴社の製品でこれだけ多くの方々の命が亡くなっておるわけであります。会社を代表する副社長として、今のお気持ちを率直にお述べをお願いいたします。


○川瀬参考人 本当に申しわけございませんでした。

 私どもといたしましては、徹底的に再発防止の手を打ちまして、また、今回の法案に見られますように、法案の改正もいただきまして、二度とこういう痛ましい事故が起こりませんように最善の努力をする所存でございます。そういうことが一つの亡くなられた御遺族に対する私どものできることだと考えております。大変申しわけありませんでした。

藤井委員 わかりました。では、お願いします。

 パロマ工業さんは、現在も自社の湯沸かし器に欠陥はなかったと主張されていると認識しております。確かに、第三者による改造もありましたし、私もそういう認識を持ちますが、そういう点に問題はあったと思いますが、貴社製品に集中して一酸化中毒が発生していることは、少なくとも貴社の製品が事故発生に強く関係しているということは否めないんではないんですか。この現実について川瀬さんはどのようにお思いですか。お答え願います。


○川瀬参考人 確かに、今先生がおっしゃいますように、私ども、当初、事故報告を受けましたときに、そこに不正な改造があるという認識でございまして、それが、先ほどのお話もありましたように、二十数年にわたりますと二十一名という痛ましい事故になりました。そういうものが不正な改造であるということが私どもの考えの一部にありました。それは事実でございます。

 それから、二十数年にわたって二十一名、そういうものを、私どもが情報として横断的にといいましょうか累積的に見て、既にこれだけの事故が生じているということを認識することが非常に欠けていたという、非常に反省をしております。

 そういう意味で、欠陥かどうかということになりますと、いわゆるPL上の欠陥とは違うかもしれませんけれども、やはり私どものこういう半密閉式の器具に事故が集中しているということに対して非常に責任を感じている次第であります。

藤井委員 もう一点お伺いいたします。

 パロマ工業は、一九九二年から三年ごろ、第三者による改造などが自社製品に対して行われ、一酸化中毒事故が発生しているということは御存じのはずなんです。御存じのはずなんです。消費者にその時点で伝えていれば、その後の事故はなくなったんではないでしょうか。まさに社長自身が自社製品の事故が発生していることを知っておられたはずなんです。その時点で消費者に危険情報を伝達していれば、こんな事故はなかったんだと思うんです。この決定についてお考えをお聞かせください。


○川瀬参考人 今から思えば非常に反省するところでございますけれども、確かに、平成三年、四年に事故がありましたときに、私どもの考えが非常に問題がございましたけれども、改造ということが、一般消費者の方がやられることじゃなくて、やはり修理業者の方であるとか、あるいはガス供給事業者の方の修理の担当の方であるとか、そういう方が、専門知識を持った方がおやりになるという認識のもとに、私どもがやらないといけない行動というのは、そういう不正な改造をしないように、そのために、あらゆる手を尽くしまして、講習会でございますとか、あるいは文書をつくって配布するとか、そういうようなことに努力を集中したということが、今から思えば非常に問題であったと考えております。

 直接、当時、消費者に伝えておれば、今先生がおっしゃいますように、もっと事故が減らせていたという反省は十分ございます。今後はこういう法律の改正も見まして、そういうところで努力してまいりたいと考えております。

藤井委員 そういう情報を知り得ながら危険情報を知らせなかったということをお認めになったわけでございますが、まことに無念、残念でございます。

 パロマ工業は、もう一点副社長にお伺いしたいんでございますが、今回のこの事故の反省の上に立って、これから企業体質をどのように変えようとされているのか。また、安全な製品を供給するためにどんな企業に生まれ変わろうとしているのか。そして、社員への教育や組織改革、この取り組みなど、今の時点で具体的な方法を検討されているのであれば、御説明をいただけませんか。お願いいたします。


○川瀬参考人 確かに、私どもにとりまして、今回の一連の事故に対しまして、全社を挙げて反省しているところでございます。私ども、考えますのに、やはり、一番私どもに欠けていたのは、消費者のサイドから見ていなかったんじゃないだろうかと。私どもの品質管理というのは、ややもすると、つくる方の、メーカーとしての品質であり、そういうものが、事故情報を得たときに、修理者の責任であろうとかいうことに目が行きまして、消費者の安全という面からは少し欠けていた点があるということを痛烈に反省しております。

 したがいまして、私どもの組織といたしましても、消費者の声、お客様の声を直接聞くような部門を新たに設けまして、そういうものを、また、いわゆる法令遵守、コンプライアンスのことを検討します部門をつくりまして、既に活動しておりますけれども、そういうところから、事故情報を含めていろいろな情報をそこに集めまして、あるいは最終的にリコールすべきかどうかということになりましたら、社内の意見だけではなくて社外の方の意見も取り入れて、そういうところで、公平な目で、消費者のためにどういう行動をしたらいいかということを判断する組織を今構築中でございます。この結果は、本年末までにということで御指示いただいておりますけれども、行政にも報告いたしまして、遺漏のないように努めたいと考えておる次第でございます。

藤井委員 どうぞ、今回の法改正を契機といたしまして、日本の中核企業の一つでありますパロマ工業でございますから、消費者の安全を第一に考える企業として立ち上がっていただきたい、強く切望しておきます。

 次に、牧野さんにお伺いいたします。

 私は、家電業界、すさまじい競争の中に置かれていると思います。そんな状況の中で、安全性を確保しろ、安全性を確保しろと言われましても、目先の短期的な利益追求に走る企業があらわれてくるのも不思議ではございません。このような競争万能といいますか、利益最優先の経済社会と、そして製品の安全問題について、家電業界としてはどんなお考えをお持ちなのか、お聞かせを願います。


○牧野参考人 お答えさせていただきます。

 家電メーカーというのは、つくった製品を消費者に買っていただいて初めてビジネスが成立されるものでございます。そういう意味で申し上げますと、消費者の信頼を得るというのは、あらゆるビジネスの最優先課題でございます。

 消費者の御理解を得るためには、安全性の確保というのはやはり何にも増して重要である、かように思っております。ある意味で、私どもの協会のこのような活動の中で、これなくして、安全性確保なくして製造業の繁栄はない、かように会員一同とともに確信し、共有をしているつもりでございます。今回のこの法改正が成立しましたならば、その精神を十分体し、会員企業と手を携え、製品の安全に引き続き努力をしてまいりたいと思っております。

 よろしくお願いいたします。

藤井委員 ありがとうございました。

 その安全性の確保を最優先ということでお願いをいたします。

 もう一点、安全性の確保をするためでございますが、メーカーの努力ももちろん必要でありますが、利用される消費者の方々にも適切な方法で利用していただく、適切な方法で維持管理をしていただくということも大変大事なんだと思います。このような観点から、家電業界としては、消費者への対応をどのようにされているのか、具体的にお聞かせをいただきたい。


○牧野参考人 大変重要な御指摘をいただいたと思っております。

 ある意味で、メーカーがどんなに安全なものをつくったとしましても、消費者の方が適切にお使いいただく、あるいは、ある程度期間がたちますといろいろなメンテナンスといいますか維持管理が必要なことは事実でございます。ただ、消費者の皆様方にそういう情報を提供する、あるいは一連の運動をやるということをやっておりまして、例えば、取扱説明書におきまして、適切な使い方、こういう維持管理をしてくださいということを呼びかける、同じようなことをホームページに載っける、あるいは、今月、経済産業省の御指導のもとに製品安全総点検週間が行われます。この中でも、機会をとらえまして、私ども、消費者の啓発を進めたいと思っております。

 また、私ども、愛情点検運動というのをやっております。この一環といたしまして、長期使用家電製品の安全点検への取り組みというのを流通の皆様方の協力を得てやっております。こういったところでも、今御指摘のあったような点について十分心配りをして今後とも努力してまいりたいと思っております。

 よろしくお願いいたします。

藤井委員 ありがとうございました。

 その消費者の安全性確保、これを最優先に、今後、業界全体のしっかりとした取り組みを引き続きお願いいたします。

 それから、青山さんに御質問させていただきます。

 この法案でございますが、先ほど、早くということでございました。経済産業省は、もちろん産業振興の所管である省庁でございますが、ややもすれば、業界寄りじゃないか、こういう評価がありますが、消費者の目から見て、最近のこの経済産業省の消費者保護政策に対する取り組みについて、どんな評価をされているのか、お聞かせ願えますか。忌憚なくお願いいたします。


○青山参考人 忌憚は持っておりません。忌憚なくお話をさせていただこうと思います。

 やはり、何というんでしょうか、通商産業省の時代から、経済産業省、名前も変わって、中身もきっちりと変わってきたのかなというのが私の昨今の思いでございます。しかし、それは、もちろん消費者保護政策ということと同時に、その消費者保護政策をしなかったらば産業も育成できないんだよ、消費者から選ばれてこそ初めてその産業、企業も育成されるんだということが、やはり経済産業省の中でもきちんと認識されてきたのではないかなというふうな気がいたしております。

 というのも、今はパロマさんが大変になっていますけれども、ちょっと前には松下さんの事故がありました。あのときも、非常に必死で松下さんは、この製品を探していますと、去年の暮れからことしにかけて本当にすごい作業量をなさいました。それで、一戸一戸戸別に、捜し物をしていますということで、こういうものを見かけませんかというようなことは、皆様方ももう、私より以上に御認識が深いと思うんですけれども、そういうことをやったがおかげで、事故はいけなかった、事故を起こしたのはバツよというふうになったんですけれども、その後の対応で、またこれは消費者の見る目が違ってきた、消費者の再信頼が確保できた。これはもう、安倍さんのおっしゃるように、再チャレンジができたというようなことになるんじゃないかと。

 そういう意味で、大いなる信頼をまた取り戻したということで、これはやはり経済産業省も、消費者保護とそれから産業育成というのは、絶対かけ離れるものではなくて、車の両輪なんだということが御認識いただいたために、割合にこのごろは消費者保護行政、進んでいるかなというふうに思います。

 そういうためにも、十一月二十日、安全週間というのを率先して、お金もない中で一生懸命やられようとしていますので、私どももぜひ協力したいし、それはすなわち消費者のためにもなるんだということで頑張りたいというふうに思っております。

 以上です。ありがとうございます。

藤井委員 ありがとうございました。

 引き続いて、経済産業省も、消費者保護政策に引き続いて御指導いただきますようお願いいたします。

 もう一点、青山さんにお聞きしたいんですが、国の規制や企業の努力のみに依存して、製品の使い手である消費者が安全意識などを全く欠いていたのであれば、製品事故防止もいびつになってしまうと思うんです。実際、規制ばかりやって、多く事故が発生するということも招きかねないと思います。

 その際、消費者自身がみずからの身を守るために最低限どんな努力をしないといけないのかということも必要だと思うんですが、消費者団体の方々は、こういう論点について具体的にどんなお考えをお持ちなんでしょうか。お願いいたします。


○青山参考人 おっしゃるとおりです。やはり、消費者というのは、安全に使わなかったら、でも自分の身の危険、これはどこに責任がある、行政が悪いとか企業が悪いとかというふうに申し上げても、自分自身が事故に遭ってしまえば、これは自分の責任、自己責任でしかないわけですから、そういう意味では、安全に使用する、安全に利用するというのは、これは大前提でございます。

 そういう意味では、私は、今回の、知らされていなかったということこそが問題であったのではないかなという気がいたします。そういうことでは、まずは、消費者は知らされればそれに対してきちんと自覚を持ち、自己責任を果たせるんだということが一つ言えると思います。

 それともう一つ、今度は私ども消費者団体の役割ということになるかと思うんですけれども、やはりこういうこと、いろいろな、事ある機会に私どももイベントを行ったり、あるいはいろいろな公民館に行って、こういうふうに製品というのは安全に使わなければいけないんですよというようなことで、啓発活動等をしているところでございますけれども、五月は消費者週間、それから十一月、十二月に関しては今の安全週間等をやる、それから十二月にはまた消費者団体がこぞってイベントをやるとか、そういうことを、結構一年のスケジュールの中でいろいろなことをやっております。そういう中で、やはり今回の問題のようなものは常に訴えていくということをしなければいけないなと。

 今までは、どちらかというと、よく経済産業省おっしゃるんだけれども、財布の安全、いわゆる悪質商法に関して身を守るというところに、いろいろなセンターに来る情報というのが消費者トラブル、契約トラブルにシフトしているという部分があったので、そういう面で力を入れていたということはあるんですけれども、やはり、体の安全とお財布の安全、両方なんだということで、私どもも努力しなければいけないな、啓発活動に力を入れていきたいなというふうに思っております。

 以上です。

藤井委員 どうもありがとうございました。我々消費者もいろいろな努力をしていかないといけないと思います。ありがとうございました。

 もう時間が参って、いろいろ聞きたかったのでありますが、消費生活の安全という問題は、実は、私たち人間の毎日の生活の営みにとりまして一番大切なお茶の間の団らんであります。この団らんを事故で揺るがすということは、社会生活の、家庭生活の根幹を揺るがすという問題でありますので、決しておろそかにすることはできないというふうに思います。

 三人の方々から、それぞれのお立場の御意見を聞かせていただきまして、どうぞ、お茶の間の団らんであることを認識を新たにしていただきまして、二度とこういう事故が起こらないように、ぜひ努力をしていただきたいと期待申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 どうも、参考人の方々、ありがとうございました。


【2006年11月7日の衆議院会議録より】

 


↑このページのトップへ↑